安西理 他

2010年7月2日

財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.4 No.1

原著

裂孔原生網膜剥離に対する強膜内陥術と硝子体手術成績の比較
Comparison of surgical outcomes of scleral buckling procedure and vitrectomy for rhegamatogenous retinal detachment.

三友堂病院眼科 安西理、貴嶋孝至、植田俊彦

Key word:裂孔原生網膜剥離(Rhegamatogenous retinal detachment)、硝子体手術 (Vitrectomy)、強膜内陥術(Scleral buclking procedure)、術後成績(Postoperative outcomes)、手術合併症(Postoperative complications)

要約

 当院における裂孔原生網膜剥離の手術成績と合併症について特に強膜内陥術と硝子体手術との差を比較し検討した。対象は平成11年4月から平成15年7月までに当院で初回手術を施行した(裂孔原生網膜剥離症例)37例で、強膜内陥術は18例、硝子体手術は19例であった。術後復位率は、強膜内陥術で初回復位率72%(最終復位率94%)、硝子体手術で初回復位率95%(最終復位率95%)であった。術後合併症は強膜内陥術で眼球運動障害2例、脈絡膜剥離2例、黄斑上膜(ERM)1例であり、硝子体手術では白内障3例、一過性高眼圧4例、虹彩後癒着3例、ERM3例であった。硝子体手術では、詳細な眼底観察のための白内障手術を必要とした症例が11例(硝子体手術前3日前3例、同時8例)あった。最終復位率は両手術に差はなかった。硝子体手術が選択された症例は強膜内陥術に比べて重篤な症例が多いにもかかわらず、初回治癒率が高く有効な術式であると考えられた。しかし硝子体手術は術後合併症の頻度が高く、また白内障手術を同時に行わねばならない場合が多いことなどを考慮し手術適応を決める必要があると考えられた。

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