情野弘子 他

2006年4月13日

財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.4 No.1

原著

ブラシを用いない術前手指消毒法の手技の確立とその評価-消毒効果と皮膚障害に関する検討-
Establishment of the technique of surgical handwashing without using brushes and its evaluation for antibacterial efficacy and influence on the skin of the hands

三友堂病院看護部 情野弘子、安達誠、遠藤みどり、三浦信枝、後藤富喜子

Key word:術前手指消毒、消毒効果、手指皮膚障害、術後感染発生率

要約

 当院手術室ではこれまで術前手指消毒(手術時手洗い)として、ブラシを用いた手洗いを行ってきた。しかし、ブラシによる手洗いは皮膚障害を惹起し、手指の細菌数を増加させるため、最近ではブラシを用いない手洗いが推奨され、CDC(Centers for Disease Control and Prevention)ガイドラインにおいても「手術時手洗いではブラシは不要である」とされている。
 今回われわれはGlitter Bug専用ローションを用いて手指の洗い残しを評価し、また、手洗いによる消毒効果を細菌学的に検討し、ブラシを用いない手洗い(手揉み法)の手技を確立した。ついでこの手揉み法について、手術時手洗いとしての有効性、皮膚障害の程度および術後感染(surgical site infection: S.S.I.)の発生率を従来のブラシを用いた手洗い(ブラッシング法)と比較検討した。手洗いとしての有効性について、それぞれの消毒効果を細菌学的に比較したが、両者の間に著名な違いを見出せなかった。皮膚障害については、ブラッシング法に比較して明らかに手揉み法で軽減していた。また、手揉み法による手洗いにて施行された外科手術においてS.S.I.発生率が増加することもなかった。
 これらの結果より、今後は手揉み法を手術時手洗いの標準的手技として行っていくべきであると考えられた。

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原稿・資料提供 (財)三友堂病院医学雑誌編集委員会