研修医プログラム(呼吸器内科)

2010年5月7日

単年度で区切ると対応できる疾患・技術習得の内容に偏りが生ずるため、通年で計画します。

1.疾患に関する研修

a.市中肺炎への対処(施設入所者を除く)
 問診、胸部X線写真読影、喀痰グラム染色により起炎菌を推定します。来院までの症状経過を把握することが、感染症治療の基本となります。その後、ガイドラインに従って抗菌薬投与を行います。抗菌薬はPK/PDを考え、投与間隔・投与量を考慮する知識・技術の習得を目指します。また適切な効果判定により治療薬変更や終了のタイミングを見極め、短期完治を目指します。

b.施設入所者の肺炎への対処
 施設入所者は肺炎の原因として嚥下障害の存在がしばしばあります。入院早期から嚥下訓練を開始し、廃用症候群を防止するリハビリを適切に行う必要があります。また介護に問題がないか見いだす必要もあります。このような介護との連携医療を習得していただきます。

c.慢性閉塞性肺疾患
 基本的には外来での診療が主となりますが、急性増悪時や在宅酸素治療導入時に入院対処となります。本疾患では「包括的リハビリテーション」という概念を把握していただきます。投薬治療は包括的リハビリテーションの一手段でしかありません。栄養指導・生活指導・介護保健利用など種々の介入により初めて生活の質を向上し、急性増悪を減らす事が可能となります。毎月定期的に開催されるHOTミーティングや、患者・家族を対象とした院内の呼吸器教室の主催に参加していただきます。

d.気管支喘息
 気管支喘息はガイドラインに従った治療を行えば殆ど入院治療を必要とすることはありません。従いまして外来通院患者は約80名いますが入院治療を必要とする症例は初診が多く、年間10名前後しかいません。また発作で外来を救急受診される方も特定の数名だけです。本疾患では肺機能検査値の評価の仕方、ピークフロー自己測定による喘息自己管理指導の基本を習得して頂きます。

e.肺癌
 肺癌は早期の手術適応症例出なければ完治はほぼ不可能な疾患です。まず診断手技として気管支ファイバースコピー或いは経皮肺生検の概要を学んで頂きます。地域性のため高齢者が多く、手術困難・化療困難な症例への遭遇が多い状態です。在宅介護や緩和医療と適切な連携をとることを習得していただきます。

f.その他疾患
 年間数例の疾患が多種ありますが不定期に発症・来院しますので、その時々で指導します。

2.技術・知識の研修

 胸部X線写真読影を毎週月曜の内科総回診(カルテ回診)で行います。学会・研究会には必ず参加・発表して頂きます。学会出張費は病院規定に従い支給されます。看護師などコメディカルからの要請をうけての勉強会に協力していただきます。人工呼吸器管理、気管支ファイバースコピーに関しては症例ごとに学習していただきます。

◆指導医;池田 英樹医師のプロフィール◆

1980年(昭和55年)山形大学医学部卒業
1984年3月 山形大学大学院修了(医学博士)
1992年6月~ 長井市立総合病院 内科部長
2000年11月~ 公立置賜長井病院 内科医長
2001年10月~(財)三友堂病院 呼吸器科科長
2002年4月~ 診療第一部部長(現職)
現在、日本呼吸器学会指導医、日本呼吸器学会専門医、日本内科学会認定内科医、日本アレルギー学会専門医、日本核医学会認定医、厚生労働省 臨床研修指導医

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原稿・資料提供:三友堂病院人事企画部