研修医プログラム(心臓・循環器内科)

2009年5月4日

1.後期研修1年目

心電図読影350例、心臓超音波検査100例、冠動脈造影100例(術者)、
恒久的ペース=メーカー植え込み10例(第一助手)、PCI 50例(第一助手)、
IVUS 25例(第一助手)の実施

年間最低2題の研究会発表(症例報告)

後期研修1年目年間習得項目;

a. PCIの歴史と理念、PCIを施行するための基本条件と基本姿勢;
(PCIを施行する医師の基本的な心構え“For the patient”、 前投薬、手技時間、
造影剤の総量、 患者の放射線被曝の低減化。)

b. PCIの適応と禁忌(病変の適応と患者側の条件、PCIを施行する医師の条件;
特に初心者、中級者、上級者別の適応基準)

c. PCIに必要な多方向冠動脈造影の基本と読影法;
冠動脈解剖の完全な理解、CAG読影の習熟、

d. 基本アプローチ法の習得(TRI、TFI)

e. カテ室システムの理解;
人員配置、圧ライン、monitor、救急薬品、危機管理

f. 基本手技の理解:ガイドワイヤー、ガイドカテーテル、バルーン、DCA、
cutting balloon、stent(BMS,DES)、IVUS、

g. IVUSの適応と読み方

h. 合併症の基本的な理解と対策の理解:dissection、stent合併症、acute occlusion、
distal embolism、冠動脈穿孔、ガイドカテーテル合併症、PCI合併症、DCA合併症、
cutting balloon合併症
その他(薬剤:チクロピジン、ヘパリン,クロピドグレル→TTP,HIT, blue toe(digit)
syndrome)合併症

i. 各種lesion specific PCIの基本的な理解:
入口部、分岐部、diffuse病変、small vessel、石灰化病変
acute coronary syndrome、バイパス不全(SVG、ITA)、
再狭窄病変、ISR(in stent restenosis)

j.戦略(strategy)の基本的な理解:多枝病変、低心機能、only remaining artery、
CABG後症例、腎機能障害例、多臓器疾患合併例

k.術後ケア(止血方法の習熟、出血性合併症への対処、腎不全例など)

l.その他:IABP、PCPSの習得、適応と合併症の理解

2.後期研修2年目

心電図読影350例、心臓超音波検査100例、冠動脈造影100例(術者)、
恒久的ペース=メーカー植え込み10例(術者)、PCI 50例(第一助手)、
IVUS 25例(術者)の実施

年間最低3題の学会、研究会発表、年間最低1題の論文発表(症例報告)

後期研修2年目年間習得項目

a.ガイドカテーテルの選択と操作方法
1)解剖学的特性に応じた選択と操作方法
(前・後方、後位、分岐角度、plaqueの有無、屈曲による操作困難に対する対処等)
a)transfemoral、b)ransradial、c)小口径と大口径ガイドカテーテル
2)ガイドカテーテルによる合併症の理解と予防方法および対処方法
(入口部解離、spiral dissection、AR、虚血、blue toe syndrome、stent脱落・変形、
冠動脈内塞栓、等)
a)カテーテル合併症の種類と原因、b)予防方法と対処

b.動脈解離に対する対策
冠動脈解離に対するstent留置は、stentの濫用の一因となっている。
適当な対処方法の習得が必須。
1)各種dissectionの特徴と予後およびその評価方法
(冠動脈解離の分類、ガイドカテーテルによる解離、stent edge dissection、
その他特殊な解離)
a)各種dissectionの特徴と予後、b)評価方法と処置(CAG、先端造影、IVUS、等)
2)緊急対応が必要な冠動脈解離と治療法の理解
a)緊急対応が必要な冠動脈解離の特徴、b)stent、その他(DCA、cutting balloon、
wire、IABP、等)の具体的な使用方法

c.stent合併症の種類と予防方法の理解
(stent脱落、stent変形、stent recoil、stent jail、冠動脈穿孔、SAT、plaque shift、
急性閉塞、等)
1)stent合併症の種類と原因、
2)各種合併症の予防方法

3.後期研修3年目

心電図読影350例、心臓超音波検査100例、冠動脈造影100例(術者)、
恒久的ペース=メーカー植え込み10例(術者)、PCI 50例(術者,TypeA,B1 lesion)、
IVUS 25例(術者)の実施

年間最低3題の学会、研究会発表、年間最低1題の論文発表

後期研修3年目年間習得項目

a. PCIの基本手技(術者);
3S-PCI(Simple,Speedy,Safety)の重要性。基本に忠実に。

b. 基本戦略(strategy)の作成;病変へのアプローチ法の決定、ガイドカテーテル、
ガイドワイヤー、バルーン、ステントなどのPCIデバイスの選択。

c. ガイドカテーテルの選択と操作法(power position) trans-femoral(TFI), 
trans-radial(TRI)、

d. PCIガイドワイヤーの特性、病変による使い分け;
ガイドワイヤーの操作法(病変を如何に安全確実に選択するか?)

e. Balloonとステントの特性、病変による使い分け;
Balloonの素材とコンプライアンス/ノンコン・セミコンと病変での違い、各種ステント
の特性、使用方法。バルーンの通過拡張(前拡張)、ステントの位置決め、適正な
加圧はどのぐらいか?

f. 合併症の回避。(ステント合併症、冠動脈解離、穿孔、急性冠閉塞ほか)
予防と対策。バックアップ体制。

g. stent合併症に対する対処
1)delivery failure(delivery困難、脱落、dislodgment、stent jail)の対処
2)その他(動脈穿孔、SAT、plaque shift、plaque protrusion、急性閉塞)の対処

h. DCAの基本手技
1)deviceの構造と適応および基本操作
2)各種病変の部位・性状に応じたテクニック
3)IVUS guideの基本

i. Rotablatorの基本手技(予定)
1)deviceの構造と適応および基本操作
2)各種病変の部位・性状の応じたテクニック
3)合併症を回避するための基礎知識と工夫

j. Cutting balloonの基本手技
1)deviceの構造と適応および基本操作
2)各種病変の部位・性状に応じたテクニック
3)合併症を回避するための基本知識と工夫
4)より良い長期成績を得るための基本手技

k. 再狭窄と再血行再建(TLR)、心臓血管外科医とのチームワーク。
(いつ、どんな場合にCABGを選択するか?)追跡造影、フォローアップ期間、後投薬は?

l.終章;我々は何の為にPCIを施行するのか?
1)IVUSが有用な場合は?ニューデバイスが必要な場合は?
2)循環器疾患治療領域の新しい試み、これからの展望。

◆指導医;阿部 秀樹医師のプロフィール◆

1980年(昭和55年)札幌医科大学卒業
1980年4月~ 札幌医科大学第二内科
1985年6月~ 小倉記念病院 心臓病センターで研修
1986年7月~ 2007年3月、北海道札幌市で勤務(北光循環器病院、北斗循環器病院)
2007年4月~ (財)三友堂病院 循環器科科長(現職)
カテーテル治療(PCI)自験7000例、東北地方屈指の循環器専門医の一人である。
現在、日本内科学会 認定内科医、日本循環器学会専門医、
日本心血管カテーテル治療学会理事、大連市中心医院(市立総合病院)名誉教授、
講道館柔道 参段

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原稿・資料提供:三友堂病院人事企画部