野間 祥子 他

財団法人三友堂病院医学雑誌 Vol.12 No.1

原著

    心臓カテーテル検査入院患者に対する食塩排泄・摂取推定値を用いた栄養指導
Nutrition counseling using estimated value of salt intake and output for patients perfomed cardioangiography

野間 祥子、三村 友恵、岡田 沙希、伊藤 智子、二宮 久美子

三友堂病院 医療技術部 栄養管理室

Key words:栄養指導、減塩、随時尿、食事記録、食塩排泄・摂取推定値

Syouko Noma,  Tomoe Mimura, Saki Okada, Tomoko Itou, Kumiko Ninomiya

Department of medical technology, Nutrition management romm, Sanyudo hospital

要約


 心臓カテーテル検査入院患者に対して栄養指導を行う場合には、減塩に重点を置いた指導を行うことが多い。そこで日常の食塩習慣をつかむために随時尿と食事記録から算出した食塩排泄・摂取推定値を踏まえて栄養指導を行うこととした。
 2010年5月から8月までの3か月間の当院心臓カテーテル検査入院患者を対象に、食塩排泄・摂取推定値をそれぞれ随時尿と食事記録から算出した。その結果、いずれの推定値とも10g以上15g未満に当てはまる患者が過半数であった。随時尿と食事記録を比較すると、随時尿の方が平均3.2g多く算出され、最大で22.2gもの差があった。この差が生じる理由として随時尿においては採尿時間にバラツキがあったことなど、食事記録の面からは過小評価、記入漏れ、一日のみの記録であったことなどが挙げられた。
 2010年8月から10月の2か月間で食塩排泄推定値を用いた栄養指導に対する患者の評価と受容度を知るために、指導が行われた患者を対象に調査を行った「食塩排泄推定値を知ることができて良かった」、「次回も知りたい」と答えた患者はいずれも過半数であった。したがって、食塩摂取量を数値として示すことによって、理解しにくい食塩量が理解でき、食生活を見直すきっかけとなったことが示唆された。
 今回行った方法では、随時尿の値のみを伝えるだけでは減塩指導上不十分であったが、食事記録も付加することで食塩習慣を多方面から捉えることができて、有効な指導に結びついた。そそて短期間の検査入院においては食に対する意識・動機付け、および生活を振り返る場を作ることが重要であり、どのような指導方法が効果的なのかをさらに検討していく必要があると考えられた。

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