大沼未希 他

2009年6月1日

財団法人三友堂病院医学雑誌 Vol.9 No.1

症例報告

音楽療法士による心理的アプローチが苦痛緩和に有用であったがん終末期の1症例
A case of successful supportive care by the psychological approach of a music therapist for a terminal patient with cancer

三友堂病院看護部 大沼未希、吉田美代子、黒田美智子
三友堂病院同臨床心理室 吉田満美子
三友堂病院同緩和ケア科 牧野孝俊、横山英一、川村博司
三友堂病院同麻酔科 加藤滉
山形大学医学部麻酔科 加藤佳子

Key word: 音楽療法、緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、苦痛緩和、心理的アプローチ

Miki Ohnuma1), Miyoko Yoshida1), Michiko Kuroda1), Mamiko Yoshida2), Takatoshi Makino3), Eiichi Yokoyama3), Hiroshi Kawamura3), Akira Kato4), Yoshiko Kato5)

1)Department of Nursing, Sanyudo Hospital
2)Department of Clinical Psychology, Sanyudo Hospital
3)Department of Palliative care, Sanyudo Hospital
4)Department of Anesthesia, Sanyudo Hospital
5)Department of Anesthesiology, Yamagata University School of Medicine

要約

 緩和ケア病棟においては、全人的な苦痛を抱える患者とその家族が存在し、多様な職種によるチームアプローチが必要不可欠である。当病棟は、今年度から新たに音楽療法を導入した。薬物療法などでは限界のあるさまざまな苦痛を抱える患者に対して、音楽を用いたアプローチを実践している。今回、高度の心理的苦痛を有する胃癌終末期症例に対して、音楽療法士による音楽を媒介としたアプローチを行った。その結果、6つの効果: 1.不安の解消、2.家族とのコミュニケーションの活発化、3.人生の振り返りと再体験、4.安眠への導入、5.心理的要因から起こる身体的苦痛の軽減とQOLの向上、6.グリーフケアとして有用なことを認めた。音楽の特性を生かした音楽療法が、苦痛緩和に非常に有用であることを示す1症例であった。

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原稿・資料提供 (財)三友堂病院医学雑誌編集委員会