吉田よね子 他

2009年6月1日

財団法人三友堂病院医学雑誌 Vol.9 No.1

症例報告

EGFRに遺伝子変異を認めた高齢者肺癌症例に対するゲフィチニブ治療の効果
-Clinical effect of gefitinib for elderly lung cancer with the genetic mutation in EGFR-

三友堂病院中央検査部 吉田よね子、佐藤静子、江口由美、吉田佳奈子
三友堂病院内科 池田英樹

Key word: EGFR、遺伝子変異、ゲフィチニブ、高齢者肺癌患者

Yoneko Yoshida1), Shizuko Sato1), Yumi Eguchi1), Kanako Yoshida1), Hideki Ikeda2)

1)Department of Clinical Laboratory, Sanyudo Hospital
2)Department of Internal Medicine, Sanyudo Hospital

要約

 2004年4月、肺癌の一部にEGFR(epidermal growth factor receptor: 上皮増殖因子レセプター)の遺伝子変異があり、遺伝子異常のある患者ではゲフィチニブ(イレッサ®)が著効することが報告された1)2)。また、2007年4月よりEGFR遺伝子シーケンス解析が保険適応となり、市中病院でも診察に利用されるようになった。当院において、2007年8月より2008年5月まで遺伝子変異を認めた患者は5例であった。これらは全てステージⅢ~ⅣでPS(Performance Status)不良の高齢者腺癌患者であった。これらの症例にゲフィチニブを投与したところ、腫瘍縮小効果とPS改善を確認できた。当院では後期高齢者の肺癌患者が多数を占め、全身状態が不良のため、手術あるいは標準化学療法が困難なケースが多い。これらの症例にEGFR遺伝子変異解析を行い、ゲフィチニブ治療を選択することは腫瘍縮小効果とPS改善の点から有用であると考えられた。

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