吉田美代子 他

2007年3月14日

財団法人 三友堂病院医学雑誌 Vol.7 No.1

原著

三友堂病院緩和ケア病棟における緩和医療の質の評価-Support Team Assessment Schedule(日本語版):STAS-Jの導入-
The evaluation of care in palliative care unit of Sanyudo hospital.-introduction of the Japanese version of Support Team Assessment Schedule: STAS-J-

三友堂病院看護部 吉田美代子、東海林由美、齋藤美由紀、黒田美智子、三浦信枝
三友堂病院緩和ケア科 横山英一、川村博司
山形大学医学部麻酔科 加藤佳子

Key word: 緩和医療の質、ケアの評価、Support Team Assessment Schedule:STAS

要約

 当院が平成17年5月に開設した緩和ケア病棟は、薬物療法、補完・代替療法あるいは患者・家族とのコミュニケーションの充実に努め、症状緩和、QOLの向上を図ってきた。そして、これらのケアの実施に並行して、開設から3か月ごとにSupport Team Assessment Schedule(日本語版):STAS-Jを用いて、緩和ケア病棟の患者・家族ケアの評価を行い、緩和ケアの向上に取り組んできた。
 評価の方法として、入棟直後、7日後および死亡直前期に、患者の身体的症状、患者・家族の不安・病状認識、患者・家族間、医療者間、そして患者・家族と医療者間のコミュニケーションについてSTASスコアリングを実施した。また家族の援助の少ない患者の症状・不安・病状認識の変化について検討した。開設初期3か月の評価では、疼痛緩和は入棟後良好となり、家族の関わりの少ない患者においても不安の軽減と病状認識の改善が認められ、コミュニケーションを含めたケアが評価された。しかし、疼痛以外の身体的症状の緩和が不良となる例があり、チーム医療の強化、補完代替療法にさらに取り組む必要があると考えられた。また、患者・家族の不安は病状の進行とともに増大した。この課題に対しては、患者・家族・医療者が病状・予後について共通の認識を持つことが不可欠であり、緩和期(診断時から死亡までの期間)の全般に亘る正確な病状・予後の説明や、患者・家族と共に療養の問題点や方針を検討するファミリーミーティングを行うことが必要であると考えられた。その後、これらの取り組みを行い、再び3か月ごとに評価を行った。症状緩和は入棟後7日間でほぼ達成できるようになり、また、患者、家族の不安、病状認識においても改善が認められた。患者と家族間のコミュニケーションでは、開設初期に比較し、病状を含めた率直なコミュニケーションが図られるようになった。
 STASを用いて緩和ケアの質を評価することによって、課題を抽出し、これに対する対策を講じることができ、緩和ケア病棟におけるケアの改善に結びつけることができた。

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原稿・資料提供 (財)三友堂病院医学雑誌編集委員会